湯梨浜町にて、壊れてしまった鳥居の修復工事を行いました
鳥取県一円にて、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、前田石材 代表の前田です。湯梨浜町にて、壊れてしまった鳥居の修復工事をご相談いただきました。
湯梨浜町 鳥居修理
お客様からご連絡をいただき、「鳥居の修理はできますか?」とお問い合わせがありました。場所を伺って、早速現地へ向かいました。
ご連絡くださった区長様と一緒に確認に向かうと、壊れてしまった鳥居が現れました。樹木が倒れてきたのかもしれませんが、原因ははっきり分かりませんでした。
落ちていたのは鳥居の一番上の部分の笠石と、その下の中貫き部分、神社の名前が入った額です。笠石は二本の石を繋いだ構造で、その繋いだ部分から何らかの理由で落下してしまい、下の中貫きの部分はその衝撃で折れてしまっていました。「この状態で復元ができますか」とご相談をいただきました。
刻まれた文字を見ると、明治29年に建てられたとても歴史のある鳥居でした。この柱も少しずれてしまっているようです。昔は今のような大きな機械もなかったので、二本継ぎで笠石が作られている鳥居も一般的でした。状態を見たところ、折れてしまった中貫きの石だけを新しいものと取り換えればほかの石材は再利用できそうでしたので、そのことをお伝えすると鳥居の修復をご依頼いただきました。
工事が始まっています。まずは少し傾いていた右側の柱を据え直して、基礎を固めました。鳥居の下にあるのが新しく製作した中貫きです。両側の柱の内側にあるくぼみに中貫きを設置します。
中貫きを設置したあと、笠石を据えていきます。一度位置合わせをしてから印のある柱の天面に穴をあけて、笠にもステンレスのアンカーを打ち込みました。据え付けの際は接着剤も使用して、アンカーを穴に差し込みつつ据えます。
最後に額を取り付けたら、修復工事完了です。笠石についていた苔などは、違和感のない程度に汚れを落しました。
額は幸い壊れていませんでしたので再設置しました。設置のためのステンレスの金具に少し工夫をして取り付けました。少し色の明るいところが新しい中貫きです。白御影石で製作しています。
もともと草に覆われて見えなくなっていた束石の周りを整えて、柱の根元はセメントでしっかり補強しました。両側とも補強しています。
工事中も区長様や近隣の皆様が見に来てくださって、修復工事が終わると「もとに戻って良かった」ととても安心していただけました。工事前には鳥居の後ろにあった老木の伐採でも近隣の方がご協力下さり、当社も安心して工事を進めることができました。皆様にご助力をいただきまして感謝申し上げます。実は、当初は必要な石の据え直しだけを行う方向で工事に取り掛かりましたが、取り外したり調整をしたりしていると、「この部分も手入れをした方が…」という箇所が複数見つかったので、最終的には全体を据え直したような形になりましたが、現代の技術も使用して皆様に安心してお参りいただけるようになりましたので、これからもどうぞ末永く地域の皆様で守っていただければと思います。何かお手伝いできることでしたら、またお気軽にお声かけください。
今回は、神社の鳥居修復のご相談でした。当社は、神社や寺院での工事のほか、記念碑やモニュメント等の建立、墓地周辺の整備工事、住宅の外構工事など、石材に関する様々な工事を承っております。石のことでしたら、何なりとお気軽にご相談ください!